つまようじ造構造物耐震コンテスト2006 開催までの経緯
- ◆平成18年5月
- 崇城大学平成18年度教育重点配分予算に申請した「“つまようじ造”構造物耐震コンテスト」が採択され、予算額が決定した。
- ◆平成18年5月
- つまようじ造構造物の製作規定を定めるために、研究室の学生に、
種々の大きさ(高さ、幅を変えて)、重量100gのつまようじ造構造物の試作を依頼した。
台座との固定方法も、接着タイプ、台座に穴を開け固定するタイプを製作した。
- ◆平成18年6月
- コンテスト用に起震装置を新規に製作の予定であったが予算の都合で断念した。東先生と相談し、構造物実験室の電子制御油圧式アクチュエーターを振動装置の動力部にすることにした。
- ◆平成18年7月
- 構造物に荷重を加えるためのおもりの試作を行った。おもりは1枚1kgを計画したので、使用した鋼板の比重から、一辺12cmの正方形、厚み9mmとし、構造物に容易に取り付けが可能な様に中央に穴を開け、安全性を考慮し4隅を丸く加工した。加工したため鋼板1枚の平均重量は955g前後となった。
- ◆平成18年8月
- つまようじ造構造物を固定し振動させるための振動台の製作を行った。コンテスト時に組み立てが容易なこと、アクチュエータの駆動方向は1方向であることなどを考慮し、コンパネと角材で台を製作し下部にキャスターを取り付け、互いをボルトで接続できるようにした。予備実験用に2台製作した。
- ◆平成18年9月
- 試作したつまようじ造構造物を1基ごと振動台に固定し、構造物におもりを取り付け、振動予備実験を行った。振動数は1Hzから10Hzまで行い、おもりを徐々に増やしていった。
その結果、予想通り構造物はおもりの荷重量が増すと倒壊し易いことが分かった。振動数の違いにより、また構造物の形状により揺れ方が非常に異なることが分かった。
以上のことより、製作した振動台を使って、つまようじ造構造物による耐震コンテストが実施可能であると判断した。
重量100gでは、構造物が予想以上に頑丈であった。構造物の高さは50cmが適当であると判断した。台座と構造物の固定は、穴を開けずに接着するタイプでは、構造物が台座から一部が離れた場合、振動の影響を吸収し倒壊し難いことが分かった。
これらを総合的に判断して、つまようじ造構造物の製作規定を定めた。
- ◆平成18年9月
- 建築学科教室会議に、本コンテストの計画・主旨、実施要領を説明し了解を得た。また、コンテスト開催日には構造物実験室を使用するので関係各位の協力をお願いした。
- ◆平成18年9月
- 第1回つまようじ造構造物耐震コンテストの案内ポスターを制作し、教室棟、研究室棟の廊下掲示板に掲示し、参加を呼びかけた。
- ◆平成18年10月
- 平成18年10月11日午後0時15分より、K201教室において、つまようじ造構造物耐震コンテストの説明会を実施した。参加者は約50名。
試作したつまようじ構造物、配付したした資料およびパワーポイントを使って、コンテスト実施要領、つまようじ造構造物の製作方法、製作規定、コンテストの日程と実施手順、競技規定について説明した。最後に、振動予備実験時に撮影した映像を見せ、構造物の揺れ方、倒壊の様子を示した。
- ◆平成18年10月
- 平成18年10月11日〜10月13日の期間に、コンテスト参加者は、参加者2名の学生番号、氏名を記入した参加申込書を村上研究室に提出した。参加申込数は1年生−1組、2年生−4組、3年生−7組、4年生−3組の計15組であった。
- ◆平成18年10月
- 参加申込数にあわせて、各参加者に配付する台座、おもり取り付け台の製作を行った。
- ◆平成18年10月
平成18年10月16日〜10月20日の期間に、参加申込者には、500本入りつまようじ2パック、台座、おもり取り付け台、木工用ボンドを配付した。各台座、おもり取り付け台には参加者のナンバーシールが貼られ、各台座は、一辺が30cmのベニヤ製で振動台に取り付けるための4箇所の穴と、構造物との接合範囲を示す一辺20cmの赤い枠が書かれている。また、台座とおもり取り付け台の総重量が書かれたシールが貼られている。
- ◆平成18年11月
- 構造物の重量測定用にデジタル式のはかりと、おもりの取り付け具合を検討するためのおもりを建築学科計算機室内に準備し、各製作者が随時、計量・検討が可能にした。
- ◆平成18年11月
- 振動台と競技に用いるおもりの製作を行った。振動台は、構造物実験室の他の実験の都合で、縦1.8m×横2.7mとした。そのため振動台に同時に取り付け可能な構造物の数は8基までとした。おもりは試作したおもりと同等の物を64枚準備し、さび止めの塗装を施した。おもりの重量は最大−最低が6g以内で平均954gであった。
- ◆平成18年12月
- 平成18年12月5日、コンテスト開催日前日に、振動装置を反力壁に固定し振動台と連結して振動テストを行った。振動装置の性能より、コンテストに用いる3種類の振動数は、3Hz−振幅±6.2mm、5Hz−振幅±3.7mm、7Hz−振幅±2.7mmとし、振動波形はsin波とした。また、各振動時の振動時間は20秒とした。それぞれの振動時のガル値は3Hz-220.29Gal、5Hz-365.18gGal、7Hz-522.30Galである。
つまようじ造構造物耐震コンテスト開催日(平成18年12月6日) 競技の流れ
- ◆12:00
- つまようじ造構造物耐震コンテスト会場である構造物実験室にて、正午より作品の受け付けを開始した。ボンドが完全に乾いていなかったり、その場で接着を行う参加者もいたが、13時までに参加申込数15組全員の作品が提出された。また、受け付け順に製作規定に基づいて、重量・大きさ等の審査を行い、全作品が合格した。各作品の上部に、用意した番号が書かれた旗を取り付けた。また、製作者と製作したつまようじ造構造物を同時に写真撮影を行った。競技終了後には、残念ながらほとんどの構造物が倒壊し残らないためである。
- ◆13:30
- 同日13時30分より、建築学科教員による特別賞選定のための審査・投票を実施した。審査は、形の美しさ、構造のユニークさ、製作の精巧度等を基準に行い、各先生に3作品までをそれぞれに点数をつけて選出して頂いた。各作品の点数を合計し、上位5作品を特別賞候補とした。
- ◆16:00
- 耐震コンテストの1回戦では、最大8基の構造物を同時に振動させることができる。参加15作品を2つのグループに分け、その組み分けを発表した。
- ◆16:15
- いよいよ、第1回つまようじ造構造物耐震コンテストの開始である。競技参加者、教職員も含め約80名のギャラリーが会場に集まった。先ず、本コンテストの企画者である村上が、競技方法、振動の種類等の説明を行った。建築学科主任吉永教授に挨拶をして頂き、構造物の工法と揺れについての簡単な説明があった。
- ◆16:20
- 第1グループの8基を振動台の取り付け位置に、製作者自ら固定し、おもりを1枚構造物の下段に取り付け、一回戦の耐震競技が始まった。振動台が左右に3Hzで振動すると、揺れるもの、揺れが殆どないものがあり、会場は初めて見る、つまようじ造構造物の振動に喚声が上がった。揺れはするもののどの基も倒壊や損壊は見られない。5Hzの振動に変わると、これまで揺れていた基が殆ど揺れなくなったり、逆に揺れが始まる基もあり、会場はどよめいた。7Hzの振動でも倒壊する基はなかったので、各構造物の上段にもおもりを1枚取り付けて振動させた。5Hz、7Hzで倒壊する基が現れ、会場には悲鳴が聞こえ、ため息がもれた。おもりを更に下段に追加し取り付けた。取り付け直後、荷重に耐えかねて振動を加える前に倒壊する基も現れた。振動中に構造物の基礎部が台座から離れる基も出た。3回の振動の後、8基中で倒壊や台座からの分離が無い構造物が競技規定の3基以下になったので、第1グループの一回戦の競技を終了した。
- ◆16:40
- 第2グループの残り7基を振動台に取り付け、第1グループと同じ手順で一回戦を開始した。第1グループと同じ条件であるおもりの数を上段1枚、下段2枚まで1枚ずつ増やしながら競技を行い、4基が残った。
- ◆16:55
- 一回戦でリタイヤせず決勝戦に進んだ7基の構造物の製作者の紹介を行い、7基を振動台に取り付けて、決勝戦を開始した。おもりの枚数は1回戦の最後の枚数から、徐々に上下の枚数を増していった。おもりが下段3枚上段2枚になると、これまでとは異なる揺れを示し、会場のどよめきも更に増した。倒壊する場合には、おもりが落下する衝撃も大きくなった。途中、振動装置の油圧ポンプの冷却温度が上昇したため一次競技を中断し15分の休憩を挟んだ。おもりを上下3枚ずつの競技後、残った構造物が2基となった。
- ◆17:30
- 更に下段におもりを1枚追加し上段3枚、下段4枚の荷重約7kgで、優勝決定戦を開始した。3Hzの振動の後、また、油圧ポンプの冷却装置の温度が上昇したため、ここで競技を打ち切った。残った2基の構造物で1基は決勝戦の競技途中から、構造物と台座との分離が一部見られていたため、この基を準優勝とし、損傷が殆ど見られない基を優勝とした。
- ◆17:40
- 表彰式を行い、優勝の製作者2名には賞状と副賞のiPod nanoがそれぞれに主任教授から手渡された。準優勝の製作者には賞状と副賞のiPod shuffleが手渡された。特別賞は13:30からの審査・投票で選ばれた特別賞候補者の中から、優勝、準優勝の作品が含まれていればそれを除いた上位3作品の製作者に賞状と副賞のusbフラッシュメモリが渡された。残りの製作者には司会から粗品が渡された。
- ◆17:50
- 第1回つまようじ造構造物耐震コンテストは無事終了した。
- 現在、優勝作品はJ号館2階の建築学科製図室内に、コンテスト案内ポスターと共に展示されている。
画面左の大会シンボルマークは、第1回つまようじ造構造物耐震コンテスト優勝作品をデザイン化したものである。
シンボルマークは2012年度より、賞状の背景や、募集ポスター等に使用されている。